《精神の頂上ヒマラヤへ》第3話
- 中山康直

- 15 時間前
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~誰も辿り着けなかった伝説の麻の村へ~

麻の村を特定する
シヴァ神にお祈りを捧げたあと、別ルートで山を降りることにした。2015年に発生したネパール地震の震源地にさしかかったあたりから、なぜか「秘められた麻の村」を近くに感じるようになってきた。
その感覚はチベット系の民族が暮らす国境エリアに近づいたとたん、さらに強まっていった。と同時に、何人もの人にチベット人に間違われたり、知り合いだと思われて声をかけられたりと、まるで現地人のように見られるという、摩訶不思議な現象が相次いだ。
ネパールに精通している友人のおかげもあって、山の民であるシェルパから「秘められた麻の村」の場所を聞き出すことに成功したのは、そのあとのことだった。
やはり、人里離れたところにその隠れ里はあった。そこは少数派の民族が暮らす村で、外国人がほとんど入らない。そのため、いきなり訪ねても警戒され、交流は難しいという。当然、英語は通じない。それどころか、ネパール語やチベット語さえも通じず、現地の言葉であるタマン語が話せなければ混乱が生じることもわかった。
そこで、タマン語を話すネパールの友人に連絡して状況を説明すると、すぐに首都カトマンズから約8時間かけて飛んできてくれた。翌日には合流し、一緒にこの隠れ里に向かうことになった。
伝説の麻の民が目の前に
いよいよ「ロイヤルネパール」の職人たちが暮らす麻の村へ。悪路を通り抜け、隠れ里にと辿り着いた頃には、もうすっかり日も暮れていた。しかし、目の前に見える聖なる山の頂上から満月が昇り、世にも美しい光景に出迎えられたのだ。

翌日、その伝説の麻の民が暮らす隠れ里は太陽に照らされて、すべてが目の前に映し出されていた。目の前にいるこの職人たちこそが、40年前の資料、すなわち麻のバイブルに登場している伝説の麻の民なのだ!
村人たちも、40年前の村人の姿と伝統風景が載っている資料を持って突然現れたチベット人風の日本人の登場に驚きを隠せない様子だ。
ロイヤルネパールとの結び
隠れ里の扉が開かれ、今ここにいるリアルと夢のようなストーリーに、一気にロイヤルネパールの世界に誘われていく。幻のような現実に、待ち続けていた心は解き放たれた。ヒマラヤの高みを超えるほど意識が上がっていくのを感じると同時に、懐かしさもこみ上げてきた。それは、まるで40年前の時間の波に乗っているようで、タイムスリップしたかのような不思議な感覚だった。
しかも、驚くべきことに、この日は現地の暦でお正月だったのだ。明けましておめでたいまことの結びが示し申された——元旦の太陽のもと、「ロイヤルネパール」と結ばれたことに疑いの余地はない。
(続)
